作成者と作品の概要
この作品はフランスの芸術家クリスチャン・ボルタンスキーとデザイナーのジャン・カルマンにる共同作品です。私は今回訪れた「最後の教室」で初めて知った芸術家でしたが、とても有名な現代アート作家で、
“失われたもの” や “記憶” “死” をテーマに、ものごとの光と影、明と暗、いなくなった人々の痕跡を表現した作品となています。
作品は先ず廃校の体育館を利用した作品を見ることになります。といっても目が暗闇に慣れるまでは全体像を把握できませんが。
その奥へと足を運ぶと、右の暗闇の廊下の先から聴こえる “音” と、先から照らす “光” による作品へと一気に作風が変わります。突然の変わりように一旦足が止まります。
奥まで進むと左側に階段があり、2階、3階へと進むことで作品を見ることができます。波打つ音は上から聴こえます。
漆黒の額が並べられた階段を2階へ上るにつれて、ひっきりなしに鳴る音が更に大きく聴こえます。
音は上り終えた左側の教室 “理科室” から聴こえます。
暗闇の中でかすかに点滅する”光”とドン、ドンと聴こえる”鼓動のような爆音”
足がすくみ、中へ入る勇気がなかなか出ません。それでも勇気を出して中へ入り気づきました。
この作品「最後の教室」はいなくなった人々の痕跡を表現し”記憶を留める”ことをテーマにしています。
どうやら「心臓」をイメージした作品のようです。
そして、さらに右側へと続く廊下と、3階へ進むと教室を利用した作品を見ることができます。
作品の一部紹介 “体育館を利用した作品”
受付を終え黒幕を開け中へ入ると暗闇の体育館を利用した作品があります。ここでは始めは暗くてまったく見ることができませんが、慣れてくることで全体が見えてきます。体育館入り口付近や奥のステージ上にはベンチがあり、しばらく座って眺めていれば見えてくるはずです。
敷き詰められた “わら”の匂いと、かすかに光る照明、風を感じる扇風機。荒廃しても機械は動き続け、以前まで誰かが居た痕跡を感じます。
作品の一部紹介 “1階廊下の作品”
体育館の奥にさらに続く通路があり、突き当りを右へ抜けるとこの作品が現れます。奥からは何か波を打つような”ドン、ドンという音”が聴こえます。
作品の一部紹介 “階段の額”
作品の一部紹介 “2階通路と教室”
理科室はこの写真ですと奥の暗闇のところです。点滅する”光”と”鼓動する爆音”で心臓をイメージした作品となっています。理科室の中はほとんど見えませんが、勇気をだして入れば何か見えてくかもしません。
作品の一部紹介 “3階通路と教室”
白い布とアクリルケースを利用した作品が並びます。奥に見える教室は音楽室です。作品の一部紹介 “3階 音楽室” 思い出の品
3階まで階段を登った左へ。 “音楽室” の奥の棚には、当時の面影を感じられる “思い出の品々” があります。下の画像は棚に置いてあった「フイルム写真のネガフイルム」を電球に透かしてみました。作品の一部紹介 “エントランス2階 影の劇場”
なにやら “死” を連想させるガイコツなどが生きているかのように揺れて動いています。開催状況
3年毎に開催される「大地の芸術祭 ECHIGO-TSUMARI ART TRIENNALE」での作品で、開催期間に見ることのできる作品のようですが、「越後妻有2021 冬 SNOW ART」として2021年3月14日(日)までの土日に期間限定で開館しています。時間・料金
開催時間 10:00 ~ 16:00料金 一般800円 小中400円
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